「2024年10月3日トルコCPI発表:リラ円スワップ投資家が知るべき重要ポイント」
2024年10月3日、トルコの消費者物価指数(CPI)の発表が予定されています🤓
この発表は、トルコリラ円のスワップ投資を行っている、または検討している投資家にとって非常に重要なイベントです。今回は、CPIの発表がトルコリラ円のスワップ投資にどのような影響を与える可能性があるか解説します。
トルコCPIの重要性
消費者物価指数(CPI)は、一般的な消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測定する経済指標です。インフレ率を把握するために広く使用され、国の経済状況を理解する上で重要な役割を果たします。
トルコは近年、高インフレに悩まされてきました。CPIの動向は、トルコ政府の経済政策の効果を測る重要な指標となっており、投資家の信頼にも大きな影響を与えます。
以下はトルコCPI年間変化率です。
2023年6月以降から、トルコが政策金利を上げ始めて、現在は50%です。この効果もあって、トルコのCPIは2024年5月をピークに下がり続けています。2024年7月CPIは前月比3.23%、前年同月比61.78%、前月発表された2024年8月のCPI変化率は前月比2.47%、前年同月比51.97%であり、確実にディスインフレが進行しています。
ただし、CPI前年比が下がっていても、CPI前月比がプラスである場合、物価は依然として上昇傾向にあると解釈できます。
なぜこのようなことが起こるのか?
- ベース効果: 前年の高インフレを基準としているため、単純に比較すると前年比は改善して見えることがあります。
- 季節変動: 食品価格など、季節によって大きく変動する項目の影響を受けるため、前月比が大きく変動する場合があります。
- その他の要因: エネルギー価格の変動、為替レートの変動など、様々な要因が物価に影響を与えます。
CPI前年比と前月比、どちらを見るべき?
- CPI前年比: 長期的な物価のトレンドを把握する上で有効です。
- CPI前月比: 短期的な物価の動きを把握する上で有効です。
トルコの場合、高インフレが長期化しており、ベース効果の影響も大きいと考えられます。そのため、CPI前年比が改善しているからといって、インフレが完全に収束したとは言い切れません。よって、CPI前月比がプラスである限り、物価は上昇傾向にあると認識するのが妥当です。
2024年10月3日のCPIの注目点
今回の発表では、CPI前年比が政策金利の50%を下回るかどうかが大きな注目点となっています。これは、トルコの経済政策の転換点となる可能性があるため、市場参加者の関心を集めています。
市場では、9月のCPIは前年比48.30%予想であり、政策金利の50%を下回ると考えられています。これにより、トルコが着実にディスインフレが進んでいると見られれば、リラ高につながると考えられます。
ただし、前月比が以前としてプラスである限りは、トルコ国民にとっては、毎月物価が上昇している状況であるため、インフレが収まってきている実感は全然無いと思います。
よって、例え前年比が政策金利を下回っても、トルコ国民がリラ買いをすることは、まだ先だと考えています🤓
CPIと政策金利、スワップの関係
一般的に、CPIが上昇すると中央銀行は政策金利を引き上げ、CPIが下降すると政策金利を引き下げます。しかし、トルコの場合は非伝統的な経済政策の影響もあり、この関係性が必ずしも明確ではありません。
【CPIが政策金利を下回った場合の影響】
- リラ高の可能性:実質金利がプラスになることで、リラ高が期待される可能性があります。
- スワップポイントの変化:金利差が縮小する可能性があり、スワップポイントが減少するかもしれません。
- 投資リスクの変化:リラの安定性が増す可能性がありますが、同時に金利差益が減少する可能性もあります。
スワップポイントは以下の式で計算されます。仮にCPIが政策金利を下回り、今後、金利が引き下げられた場合は、得られるスワップポイントが減少する可能性があります。
スワップポイント(円)= 数量 × 金利差(%) ÷ 365日 × 円評価レート
【例】日本円の利息が0.25%、トルコの利息が50%であり、トルコリラを10,000通貨保有。トルコリラ円は4.2円とする。
現在:スワップポイント(円)=10,000通貨×49.75%÷365日×4.2円≒57円/日
今後:トルコ金利40%の場合=10,000通貨×39.75%÷365日×4.2円≒48円/日
※今後について、仮にレートは4.2円としましたが、レートが上がればスワップは増えます。
【CPIが政策金利を上回った場合の影響】
- リラ安の可能性:インフレ抑制の困難さが示唆され、リラ安圧力が高まる可能性があります。
- 投資リスクの増大:為替変動リスクが高まる可能性があります。
CPI以外の懸念事項
トルコ経済は、財政と金融の引き締め政策の影響を受けて、減速を見せています。特に最近では、製造業を中心に弱含みがみられます。双子の赤字と呼ばれる経常収支と財政収支の赤字も、経済の不安定要因の一つとなっています。政府は財政赤字の削減に努めていますが、高インフレや世界経済の不確実性など、トルコ経済は依然として多くのリスクに直面しています。
また、イスラエルとイランの戦争が激化してきています。以前より、トルコがイスラエルの戦争への介入可能性を示唆するなど、地政学的リスクがますます高まっています。
よって、CPIが改善したからといって、単純に「リラ高」になることは無いと認識しておいた方がよいでしょう。
今、トルコに投資すべき?
CPI以外の懸念事項があるものの、トルコにとって良いニュースもあります。
・FATFのグレーリスト除外。FATFについてはこちらの記事を確認ください。
・経常収支赤字は2023年5月ピーク時の570億ドルから2024年7月には191億へと着実に減少
・ムーディーズの格付け2段階アップ(B3→B1)、フィッチの格付け1段階アップ(B+→BB-)
・デフォルトのリスクを示すCDSは2022年に一時900近くあったが、2024年7月では260程度に減少
よって、高インフレや地政学的リスクなどはあるものの、下落余地は限られていると考えているため、私としては、トルコリラはエントリーすべきタイミングと考えています🤓
- 高金利による魅力的なスワップポイント: トルコの中央銀行は政策金利を50%と高水準に設定しており、トルコリラ円ロングポジションを保有することで、10,000通貨あたり40円程度の魅力的なスワップポイントを得ることができます。
- 上昇トレンドに乗るチャンス: トルコリラ円は下落相場から反転し、上昇トレンドに乗るチャンスです。値動きによるキャピタルゲインも狙うことができます。
- 中長期的な投資対象として: トルコ経済は今後数年かけて成長していくと予想されており、トルコリラ円は中長期的な投資対象としても魅力的です。
もちろん、投資には必ずリスクが伴います。トルコリラ円も例外ではなく、為替レートの変動リスク、金利差縮小リスク、政治・経済リスクなどが存在します。
これらのリスクを十分に理解した上で、ご自身の判断で投資判断を行うことが重要です。
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免責事項: 上記の情報は、投資の勧誘を目的とするものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身で行ってください。
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