【解説】トルコがインフレ率以上の政策金利にしない理由
現在、トルコの政策金利は50%です。
トルコ統計機構(TUIK)が8月5日に発表した7月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前月比3.23%(予想3.5%)、前年同月比61.78%(予想62%)であり、予想は下回ったものの、まだまだ実質金利はマイナスな状態です。
ではなぜ、トルコはインフレ率以上に金利を上げないのでしょうか。
今回はその理由について考えていきましょう🤓
トルコの政策金利<インフレ率の理由
トルコがインフレ率よりも低い政策金利を維持しているのには、以下の理由が考えられます。
1. 企業への影響🏢
金利引き上げは、企業の借り入れコスト増加を招き、経済活動の停滞を招きかねません。特に、トルコ経済は中小企業が多く、金利上昇の影響を受けやすい構造となっています。エルドアン大統領は、雇用維持を重視する立場から、金利引き上げによる景気悪化を懸念していると考えられます。
2. 外国人投資家への影響💴
トルコ経済は、外国からの投資資金に大きく依存しています。金利引き上げは、トルコリラ建て金利の魅力を高め、外国人投資家にとってトルコへの投資をより魅力的にする可能性があります。しかし、同時に、トルコリラの急激な上昇を招き、輸出企業の競争力を低下させるリスクも伴います。トルコ政府は、こうした相反する影響を慎重に判断する必要があると考えられます。
3. 経常収支の悪化懸念
トルコは経常収支が赤字であり、金利を上げると資本流出が加速し、通貨リラがさらに下落する可能性があります。通貨下落は輸入物価上昇を招き、インフレを悪化させる恐れがあります。
4. 脆弱な民間部門🏭
トルコの民間部門は借入金が多く、金利上昇による返済負担増加は企業の経営悪化や倒産につながる恐れがあります。
5. 期待インフレ率への影響💰
金利引き上げが将来のインフレ率上昇を抑制する効果は限定的です。むしろ、金利引き上げによる景気減速懸念から期待インフレ率が上昇し、実際のインフレ率を押し上げる可能性もあります。
これらの理由から、トルコ中央銀行はインフレ率よりも低い政策金利を維持しているのです。しかし、この政策が持続可能かどうかは疑問です。インフレが長期化すれば、トルコ経済は深刻なダメージを受ける可能性があります。
仮に金利を上げれば、短期的なインフレ抑制効果は期待できる一方、長期的な経済成長や安定への影響は慎重に検討する必要があるという状況と言えるでしょう。
なお、上記に加えて、以下の点も考慮する必要があります。
- インフレ率の性格: トルコのインフレ率は、主にエネルギー価格や食料価格の高騰によるものであり、金利引き上げのみでは十分な効果が期待できない可能性があります。
- 財政政策との整合性: 金利引き上げのみでは十分な効果が期待できない場合、財政政策との協調が必要となります。しかし、トルコ政府は財政規律が緩んでおり、協調的な政策運営が難しい状況にあります。
インフレ率と政策金利の推移
2023年半ばから、トルコが政策金利を上げ始めて、8月5日に発表した7月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比61.78%となりました。6月に発表された消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比71.60%であり、10%程度低下しています。6月は政策金利を上げてから初めて前年同月比でインフレ率の鈍化がみられ、7月も更に鈍化しています😊
ただ、7月の前月比では、3.45%上昇であり、トルコ国民にとっては、インフレが継続しており、まだまだインフレが収まってきている実感は無いはないでしょう。
よって、トルコ国民が進んでリラ買いに走るのはもう少し先だと考えています🤓
トルコの次回のCPI発表は9月3日16時です。予想は前月比2.29%、前年同月比51.86%となっています。更なるインフレ率の鈍化が見られれば良いですね😊
経済カレンダーについてはGMOの経済カレンダーで国名を指定して見れますので、他の指標も気になる方は見てみて下さいね!
今、トルコに投資すべきか!?
最近はトルコ政策の成果も見られ、ムーディーズの格付け2段階アップ(B3→B1)、FATFのグレーリスト除外や外貨準備金が過去最高額になるなどや良いニュースが増えてきています。
ただ、トルコがイスラエルの戦争への介入可能性を示唆するなど、地政学的リスクも高まっています。また、7月の米国の雇用統計結果受け、米国の景気後退によるドル安円高も急速に進んできている状況です💦
上記のリスクはあるものの、下落余地は限られていると考えているため、私としては、トルコリラはエントリーすべきタイミングと考えています🤓
- 高金利による魅力的なスワップポイント: トルコの中央銀行は政策金利を50%と高水準に設定しており、トルコリラ円ロングポジションを保有することで、10,000通貨あたり40円程度の魅力的なスワップポイントを得ることができます。
- 上昇トレンドに乗るチャンス: トルコリラ円は下落相場から反転し、上昇トレンドに乗るチャンスです。値動きによるキャピタルゲインも狙うことができます。
- 中長期的な投資対象として: トルコ経済は今後数年かけて成長していくと予想されており、トルコリラ円は中長期的な投資対象としても魅力的です。
もちろん、投資には必ずリスクが伴います。トルコリラ円も例外ではなく、為替レートの変動リスク、金利差縮小リスク、政治・経済リスクなどが存在します。
これらのリスクを十分に理解した上で、ご自身の判断で投資判断を行うことが重要です。
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免責事項: 上記の情報は、投資の勧誘を目的とするものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身で行ってください。
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