【電気主任技術者の気になる年収】三種と二種ではどれだけ差がある!?仕事に対する本音も紹介!!

2021年12月25日

電験は取得が難しい国家資格になります。取得に向けてやはり、事前に確認しておきたいことは、取得した場合に就ける仕事と年収になると思います。

そこで、今回は電験三種、二種について仕事、年収および仕事に対する本音について調べ、まとめましたのでご紹介します。

電験三種の仕事内容と年収

電験三種の一般的な求人情報は以下のとおりです。

A社ビル設備管理業務
仕事内容日常点検や定期・法定点検、設備更新や省エネ提案他
応募資格(必須)ビルや工場などの設備管理の実務経験
(優遇)第三種電気主任技術者
年収350~450万円
勤務時間8:45~17:30(残業 月20時間程度)
年間休日128日 (土、日、祝、GW、夏季、年末年始他)
B社太陽光発電所の保守
仕事内容太陽光発電所運営管理業務全般、発電所主任技術者 
応募資格(必須)第三~一種電気主任技術者のうち一つ
(優遇)電気保安管理業務の経験
年収420~560万円(残業月30時間程度の固定手当あり)
勤務時間9:00~18:00
年間休日120日 (土、日、祝、夏季、年末年始、有給他)
C社一括受変電サービス業者
仕事内容高圧受変電設備の保守点検業務          
応募資格(必須)第三種電気主任技術者
(歓迎)電気管理技術者の認定を受けている方
年収300~500万円
勤務時間9:00~18:00
年間休日117日(土、日、祝、夏季、年末年始、有給他)

以上が電験三種の求人例になります。

年収は幅があるものの、400万円~500万円程度となっています。日本人の平均給与は461万円(にて確認)であるため、おおよそ平均程度の年収になると思い

以上が電験三種の求人例になります。

年収は幅があるものの、400万円~500万円程度となっています。日本人の平均給与は461万円(国税庁HPにて確認)であるため、おおよそ平均程度の年収になると思います。年収が300万円台の求人もみられますが、詳細をみると、20代~30代前半の若年者採用の場合と思われるのものが多いため、経験のある方であれば、400万円以上にはなると想定されます。

勤務時間については、平日日中の求人が多くありました。休日もカレンダー通りのところが多く、子供がいる家庭であれば、休みの日が合うため、家族サービスも可能なのが魅力的とおもいます。

求人の内容は以上です。

では、ここからは電験三種を取得し、実際に仕事をしている方々の本音についてまとめましたので、ご確認下さい。

電気主任技術者(電験三種)の仕事に対する本音

求人だけみれば、電験三種を取得していれば、日本人の平均給与程度が貰え、休日もカレンダー通りとまあまあの内容ですが、実態はどうでしょうか。

実際に電験三種を取得し、働いている方々の本音について確認していきましょう。

Aさん 一括受変電サービス業者 (33歳、男性)    
仕事内容顧客の高圧受変電設備の保守点検業務          
年収300~400万円未満
仕事の
良い所
・特になし
仕事の
悪い所
・完全週休2日でも、顧客都合により、土日休みが滅多にない。
・サービス残業も多く、ワークライフバランスは全く無い。
Bさん製造業の電気主任技術者(34歳、男性)    
仕事内容・高圧受変電設備の保守点検業務  
・工作機械の修理と改造        
年収400~500万円未満
仕事の
良い所
・停電工事立合いは休日なので、休日手当が出る。
・平日に有給休暇が取得できる。
・残業時間が10~20時間程度と少ない。
仕事の
悪い所
・人手不足。
・私物の家電の修理を頼まれる。
Cさん病院の電気主任技術者(59歳、男性) 
仕事内容高圧受変電設備の保守点検業務          
年収400~500万円未満
仕事の
良い所
健康であれば定年を過ぎていても仕事があること。
仕事の
悪い所
・電気以外の付加価値を経営者は要求され、雑務を任される。
・電気主任技術者の地位が守られていない。
※引用:仕事のプロが本音を明かすサイト「honne.biz」

以上が、電験三種を取得されている方々の本音になります。

年収については、やはり若年者や60歳以降の方については年収が300万円台という本音も散見されました。概ね、求人にあった400万円~500万円程度の方が多かった印象です。

一括受変電サービス業者などでは、求人では完全週休二日とはなっていても、顧客側の停電作業に合わせ実施する場合は土日作業になってしまうことが多いと分かりました。

仕事の良い所については、「やりがいを感じる」「資格があれば、仕事には困らない」など、需要の高さを感じました。

仕事の悪い所については「本業以外の雑用が多い」「給与の割に責任が重く、危険が伴う」という意見が多くありました。上司から電気主任技術者という資格がよく理解されていない方が多い印象です。やはり、せっかく難関資格を取得したのだから、正当に評価されたいですよね。

電験三種を取得し、働いている方々の本音をみると、私的には「給与の割に合わない仕事」と思っている方々が多い印象でした。ただ、中には「やりがいを感じ、現状で満足している」との意見もあり、結局は仕事(=就職先)によるところが大きいと思いました。

電験三種を取得し、就職や転職をする前には、求人内容と実際のギャップが無いよう、よく調査する必要があると思います。

続いて、電験二種を取得した場合の仕事内容と年収について見ていきましょう。

電験二種の仕事内容と年収

電験二種の一般的な求人情報は以下のとおりです。

A社工場の設備管理
仕事内容特別高圧設備の電気設備保全、管理他      
応募資格(必須)第二種電気主任技術者
    保全、管理業務の実務経験者
年収500~800万円
勤務時間8:30~17:15(残業 月平均10時間程度)
年間休日121日 (土、日、祝、年末年始、有給他)

B社太陽光発電所のメンテナンス
仕事内容設備計画策定、遠隔監視、巡視点検、報告書作成他
応募資格(必須)高卒以上、電気設備工事経験あり。
    第二種電気主任技術者
年収600~700万円
勤務時間9:30~18:30
年間休日120日以上 (土、日、祝、年末年始、有給他)

C社太陽光発電所の管理全般
仕事内容設備計画策定、遠隔監視、巡視点検、報告書作成他
応募資格(必須)第二種電気主任技術者
(歓迎)電気主任技術者業務の経験がある方
年収840万円
勤務時間9:00~18:00(時間外労働 月25時間程度)
年間休日125日(土、日、祝、有給他)

以上が電験二種の求人例になります。

年収については、400万円台からの求人もありますが、多くは500~700万円程度となっています。探した中には、1000万円以上といった求人もあり、年収重視の方にとっては魅力的な案件がいくつもありました。

電験二種では、特別高圧設備を扱うことが出来るため、電験三種を条件としている求人と比較すると年収も高く、仕事の規模(再エネ新規事業立ち上げなど)も大きい求人がありました。

求人としては、国も力を入れている再生可能エネルギー事業に関する案件がいくつかあり、第二種電気主任技術者の需要がますます増えてきていることを実感しました。

電験三種の求人同様、勤務時間については、平日日中の求人が多くありました。休日もカレンダー通りのところが多く、子供がいる家庭であれば、休みの日が合うため、家族サービスも可能なのが魅力的とおもいます。

残業時間については、月に10~20時間程度と少ない求人がいくつか見られ、ワークライフバランスを重視する方にとっては魅力的だと思います。

福利厚生などについても電験三種の求人と比較すると、良い待遇のものが多くあった印象です。おそらく、特別高圧設備を扱う企業は大企業である所が多いため、こういった所もしっかり整備されているのだと思います。

求人の内容は以上です。

では、ここからは電験二種を取得し、実際に仕事をしている方々の本音についてまとめましたので、ご確認下さい。

電気主任技術者(電験二種)の仕事に対する本音

求人だけみれば、電験二種を取得していれば、日本人の平均給与(461万円)以上が貰え休日もカレンダー通りとまあまあの内容ですが、実態はどうでしょうか。

実際に電験二種を取得し、働いている方々の本音について確認していきましょう。

Aさん発電設備全般の電気主任技術者 (37歳、男性)    
仕事内容・発電設備全般の工事、維持、運用に関する業務
・電気主任技術者としての法的業務以外(工事監督など)
年収800~900万円未満
仕事の
良い所
・待遇が良い
仕事の
悪い所
・理解の無い事業者への説明責任を果たすことが大変である。  

Bさん複合用途ビル22kVの電気主任技術者(42歳、男性)    
仕事内容・複合用途ビルの電気主任技術者 
・通常のビル管理業務       
年収600~700万円未満
仕事の
良い所
・電気に関しては権限があり、希望通りの保守と更新が可能。
仕事の
悪い所
・停電作業やトラブル時に勤務時間が連続30時間になる時がある。
・代務者を欲しいところと感じる。

Cさん太陽光発電所の電気主任技術者(35歳、男性) 
仕事内容 太陽光発電所の管理全般           
年収700~800万円未満
仕事の
良い所
2種を取得してからが皆の目の色が変わる。
3種のままと2種とで月とすっぽん。
仕事の
悪い所
休暇中でも常に停電など故障対応のことを考えて過ごさなければ
いけない。たまにはゆっくり何も考えずに過ごしたい。

Dさん特高受電設備の電気主任技術者 (68歳、男性)    
仕事内容・電気設備に関する管理・監督業務
・各種不具合、トラブルの原因究明とその対策など
年収1000~1200万円未満
仕事の
良い所
・電気に関する専門知識を日常の業務に活用でき、
 常に自分を磨ける職場環境である。
・自分で責任を持って判断し、仕事ができる。
・周囲から尊敬されることがある。
仕事の
悪い所
・周囲に認定で二種を取得した人がいましたが、電気の基本的な
ことを余り理解していなかった。
・自負心を持って主任技術者の仕事に従事したい人は、試験で
資格を取得するといった気概を持って欲しい。  
※引用:仕事のプロが本音を明かすサイト「honne.biz」

以上が、電験二種を取得されている方々の本音になります。

年収については、60歳以降の方については年収が低いという本音も散見されましたが、概ね、600万円~800万円程度の方が多かった印象です。 電験三種の年収+200万円程度といったところでしょうか。

仕事の良い所については、「電気に関して権限がある」「周囲から尊敬される」など、電験二種を持っていることにより、職場での待遇が良いと感じている方が多くいることを感じました。

仕事の悪い所については「責任が重すぎる」「トラブル時に休日、夜間の呼び出しがある」という意見がありました。やはり、電験二種では特別高圧の大規模工場や発電設備の主任技術者をされている方が多いため、トラブル時には即対応が必要であり、その責任も大きいといった印象です。基本的には週休2日制であっても、トラブル時には出動しなければいけないため、精神的には、常に気を遣うことが多くなっていそうですね。

電験二種を取得し、働いている方々の本音をみると、私的には「責任は重いが、やりがいを持ってやっている」方々が多い印象でした。これは、やはり電験二種を取得し、主任技術者をやられている方の待遇が良いこともあるのだと思います。電験三種の本音では、 「給与の割に責任が重く、危険が伴う」 という意見が多くありましたが、 電験二種の求人のように待遇が良ければ、責任の割に合う給与であるため、比較的満足している方々多いといった印象です。

【まとめ】電気主任技術者になるなら電験二種を取得すべき

ここで、第三種、二種の電気主任技術者の年収および本音についてまとめます。

【電験三種】

・第三種電気主任技術者の年収は 400万円~500万円程度

・本音では、やりがいを感じているものの、給与の割に責任が重いと感じている

【電験二種】

・第二種電気主任技術者の年収は600万円~800万円程度。1000万円以上のケースもあり。

・本音では、 責任は重いものの、「社内での権限がある」「待遇がよい」などの理由により、現状に満足している方が多い

まとまてみると、年収および本音において第二種電気主任技術者が第三種電気主任技術者に比べ優遇されているかが分かりました。やはり求人を見ていても、電験二種を取得していれば、三種と比較し、就ける仕事の数は各段に増えます。これにより、選択肢が増え、自分が満足できる環境で就職される方が多く居られるのだと思います。

上記が全ての方に当てはまるとは思いませんが、自分に有利な選択肢を増やすため、電験二種は取得すべきと言えるでしょう。

電験二種の一次試験は電験三種を合格された方なら、合格できると思いますが、二次試験が記述式であり、非常に難関となっています。もし、二次試験でつまづくようであれば、以下の記事を参考にして下さい。電験二種取得は困難ですが、上記のようなメリットを受けれる可能性があると考え、ぜひ頑張って頂きたいです。

電験二種の二次試験を合格した効率的な勉強法

電験三種や二種を取得し、就職や転職をする前には、求人内容と実際のギャップが無いよう、よく調査する必要があると思います。皆様が頑張って取得した電験を用いて、良い条件で就職や転職、キャリアアップされることを祈っています。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。